AkalAnd

BIG NEWS〜急に世界がやってきた〜

それは、楽しい楽しい窯出しの日に起こった

某日、いつものように陶芸工房で作業をしていました。

この日は、久々の大きなガス窯での焼成が終わり、窯出しの日!

リンリンとかわいい貫入音に心地よく包まれながら、焼きあがった陶器たちをひとつずつ愛でていた時のことです。

そんな至福の中、電話というものは、いつも突然かかってくるんですよ。←

『今から鳴りますよ〜』『お知らせ届きますよ〜』なんて予告をすることも無く、やはりいきなりiPhoneが鳴り響きました。

出ると、先日取材していただいたNHKの記者さん。

5月にNHK盛岡で岩手県内の番組『おばんですいわて』でウニ殻プロジェクトの特集していただきました。

私のまわりのみなさんはもちろん、NHK局内でも好評だったらしく、なんと、そのすぐ後に『おはよう日本』で全国放送もしていただきました。

朝の5時40分頃、夢と現実の間のような意識の中で、ついに全国か・・・とじんわりしたものです。

とても熱心な記者さんで、ご連絡もマメにいただき、洋野町内で別の取材もしているというお話しをちらっと伺っていたので、その一部でインタビューでもお願いされるのかな?と、とても軽やかかつ友好的な心持ちでお話しを聞いていると…何やら様子がおかしい。

『実は、今、あの映像がNHK WORLDで放送されることが決まり、英訳されていまして…お名前をローマ字で表記する場合の確認でした!』

・・・ぬっ?

えぬ・えいち・けい・わーるど??

それは、どういうことですか??

そのとき、体内の細胞の働き方改革が起こったんでしょうかね?

全細胞が、一気に100万分の1秒の振動でぷるぷる震えるという、私史上初の現象が身体に現れました。

NHK WORLDとは、国際放送らしいですよ。

NHKが手がける、ワールドワイドな話題を全世界に放送するものですよ!!!

そりゃ、ここ数年で一番高くて大きな声が出ますよね。

毎日、子供たちを学校に送り出すため叩き起こすときに出るドスのきいた声じゃない類の、いい感じの方の大きな声です。笑

NHK WORLDって?

お話を聞くと、全国放送の『おはよう日本』をNHK WORLDの担当の方が見てくださり、お声がかかったとのこと。

いやいやいやいや・・・・予想の遥か上をいく突拍子もない話題に感覚が追いつかず、どんな規模でびっくりすれば良いのかわからない!!

それは。。。地方の特集から、全国に放送され、そしてワールドという流れは、よくあるお話なんですか?

と、びっくり規模の判断基準にするための質問を口走ってしまいました。

だって、、よくあることだったら、あまりびっくりし過ぎたらちょっと恥ずかしいじゃないですか。ねえ?

それに対する記者さんの返答は、

『いやぁ、実は私も初めての経験でして、どうしていくのか探りながらの対応です。笑』

・・・。

めっちゃびっくりしてイーーーーーーーーーーーー!!笑

思う存分、びっくりしました。

その後、急に向こうからやってきた世界に恐れ慄くという段階に入ります。。

怖いじゃん!

まだ、協力隊を卒業して3ヶ月。

開業もネットショップもできてない、いただいた受注に対応するのもいっぱいいっぱいで、こんな未熟者が急に世界に注目されうるって、、

Brand new planet

今朝、愛車Kinsaku号で聞いていた歌がリフレインします。

立ち止まったら そこで何か
終わってしまうって 走り続けた
でも歩道橋の上 きらめく星々は
宇宙の大きさで それを笑っていた

〜Mr.Children『Brand new planet』〜

この日、私は偶然Amazon musicから流れてきた、この尊い歌の出だしで号泣しながら工房に向かった朝なのです。

実は、ほんとのところ、私の現実というのはほんとうに不安と困惑と疲労の毎日で、1ヶ月後の生活がどうなっているのかがわからなすぎて元気をなくしていました。

立ち止まるのが怖い。

動き続けたまま疲弊するのも、もっと怖い。

でも、立ち止まれない。

私が独り身の時は、無鉄砲という言葉がぴったりな生き方でした。

自分一人が食っていくくらいはどうにだってなるし、どんな生活リズムで何をしようがやりたいことをやっていくんだぜ、おーーーー!!

という感じだったので、親戚一同がぶっ飛ぶくらいの人生を送っておりました。

そして、二人の息子のシングルマザーをさせてもろうてます。

そう、私は今、いい大人になり、私より小さき人たちと共に生きています。

それでもどこまで自由に生きられるかという実験人生をしてみているので、多くのお母さん業をしている人よりは変だという自覚はあります。←

でも!

でもやっぱり流石に!

生活を破綻に招きかねない無鉄砲な生き方はできないなと、小さき人たちを守る最低限の大人には成長しました。笑

それと同時に、後ろ盾を確保してこなかった私の人生を少し呪った日々でもありました。

そんな不安も恐怖も、宇宙の大きさで笑っている。。。なんて歌詞を知ったら、なんだか安心感に包まれて涙が流れてしまったのでした。

安心の中で覚悟するということ

そう、私は暁空焼やトゲトゲ陶器、縄文民族グッズをはじめとする陶器づくりと販売をもっぱらの生業にしていく覚悟が、できずにいたのです。

応援してくださっている人もいるし、商品を気に入ってくださっている人もいる。本当にありがたいことです。

それでも、今私が活動していることが、私の、私たち家族の生活を支えるほどのものになるのかということにずっと疑いを拭いきれず・・・というそれらしいことを言いますが、単にビビって覚悟ができなかったのです。

金銭面でもそうだし、私の精神的なところでも、頑張り続けられる自信がなかったんです。

イケイケゴーゴー(古)の無鉄砲な20代の頃にはなかった類の不安。

協力隊の任期中に、うつで休職した体験もきっと大きく関わっています。それはまたの機会に。

でも、今不安がっていたら、未来にも不安がやってくるんです。

だったら、今、どうにかして安心するしかないの。

これまでのあらゆる経験を乗り越えてきた私の最大の術が、この意識の変革です。

『なんかわからないけど、絶対大丈夫!』

朝から号泣して浄化され、窯出しの貫入音で至高の癒しに包まれた。

そのタイミングでの一報がNHK WORLD。

うん、きっと大丈夫なんです。

怖くても、大丈夫。

不安でも、大丈夫。

ふあっと包まれながら、ドカンと背中を押してくれる。

偶然という名の必然。。よくいうソレかもしれない。笑。

くそう、こわいけどやってやるぜ、笑ろとけ〜!!

ということで、AkalAndとしてさらに一歩前進することを決めました。

新しいことをするには、古いものも古い思考も捨てることから。

新しい『欲しい』までもうすぐ!!

余談

ワールドなお話をいただいて、陶芸の師匠と震えながら「落ち着こう、落ち着こう」といつものインスタントコーヒーを飲みながら思い出した。

つい、前日ですよ。

肚が決まらず、このままだと食っていけないと判断したビビりな私は、某大手おもちゃ屋さんのアルバイトに応募しました。笑

ワールド規模なお話が舞い込んだ現実の私は、明日の生きるを危惧しておもちゃ屋さんのバイトに応募。笑

カオス!

ひとりパラレルワールド!!

実に私らしくて良いと思います。ウケる。

想像もつかない人生を想像しよう。