DANASSバックナンバー

どんな色が酒器(しゅき)?

「南部藩のお酒に合わせた酒器なら、南部藩の工芸品を集結しませんか?」

いつもの思いつきが、私自身の運命をも大きく変えた一言になりました。

洋野町で活躍するフェアリーチェの布施さんご夫妻が、南部美人さんとタッグを組み、2年半もの歳月を掛けて江戸時代の日本酒『國光正宗』を復刻しました。

その後、お酒の神様『松尾様』の肖像画が発見され、高杯を持ったお姿だったことから酒器づくりのご依頼を頂いた私。その数、千個以上!

これは私ひとりでは到底手に負えないし、南部藩の復刻酒のお供となる神様の酒器という偉大な存在を独り占めする訳にはいかない!その瞬間脳裏に浮かんだのは、ほんの数日前に花巻で出会った工芸品に携わる皆さん。あっ…これだ!その結果が冒頭の書き出しにつながります。

それから私の生活は一変。青森、岩手の工芸品の職人さんを訪ねる日々となり、私の眠っていた記憶が蘇りました。

私は、ものを生み出す人が大好きだ!人柄や生き様がそのまま現れる分身が生み出されるということ・・・ものづくりをする人の傍で感じるのは、出産を目の当たりにしたのと近しい感動と尊敬の念です。

これが私の原動力です。この魅力を伝えたい、広げたい、長く未来へ繋げたい…・!

かつて江戸時代に「南部藩」と呼ばれたこの場所で、今和という時代に私が伝えたいこと、やるべきことがあります。ぜひ現代の南部藩で共に生きる皆様のお力添えをお願いします!

江戸時代の酒づくりを再現した國光正宗。この貴重なお酒に合う酒器っていったい…?

【月刊DANASS No.218(2022年1月号)掲載】

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